訪問看護とは看護を必要とする人が在宅で療養しているときに、看護師などが看護ステーションや病院などから来て、注射や点滴などの医療行為や食事や排せつの世話、家族の相談にこたえるなどの行為を行います。
在宅のリハビリテーションなども訪問看護によって支援することがあります。この訪問看護は医療保険が適用されるのか、それとも介護保険が適用されるのかが重複している部分があるので注意が必要です。
医療保険と介護保険は、明確に区分された保険ではありますが、実は共通している部分や重複している部分があります。介護保険が保障するデイケアなどの訪問介護は、通常介護保険が適用されます。特に在宅でサービスを受けることになる訪問介護は、誰にとっても可能性のあることなので、ぜひ元気なうちからそういう状態になったらどうするべきかを考えておきましょう。
ここでは訪問看護における医療保険と介護保険との違いについて詳しく勉強していきましょう。
訪問介護とは?在宅の療養者が受けるサービスってどんなもの?
訪問介護とは、主に慢性的に介護が必要になった利用者のところに介護士が訪れて、食事や着替えのサポート、入力や排せつなどの援助をすることです。介護は、訪問介護だけでなく通所のデイケアサービスやショートステイなど多くの介護サービスが展開されていますが、こういった介護サービスの中でも訪問介護については実は医療サービスと共通する部分があります。それは医療保険が適用される訪問看護です。
訪問看護は、終末医療を必要としている人や急性的に病状が悪くなった人に行われる医療サービスです。厚生労働大臣が認めた指定の難病や疾病などを患った人に適用されます。訪問看護には、介護保険が適用されることもありますが、医療保険が適用されることもあります。
なぜ訪問看護は医療保険と介護保険の両方が使えるの?
訪問看護に適用できる保険は医療保険と介護保険の両方といわれています。
正確には一部重複している部分があり混乱しやすいところですが、医療保険と介護保険のどちらを使うかというと利用者の年齢によっても区分されます。
例えば、
- 利用者が40歳未満でいわゆる難病と呼ばれる厚生労働大臣が認定する疾病に該当しない場合は、医療保険が適用になり週3回の利用が可能
- 利用者の年齢が65歳以上で難病認定された疾病でない場合は、ケアマネージャーによって計画される介護保険を適用
このように訪問看護を利用する際に医療保険を利用するか介護保険を利用するかはケースによって異なり、手続きの方法も異なるので注意が必要です。
保険を利用して訪問看護を受ける際の自己負担額を知りたい
訪問看護を利用する際、医療保険を適用するのか介護保険を適用させるのかで月額の利用料も変わってきます。
医療保険を適用させる場合は、主に2割から3割の負担が利用者にかかります。ただし後期高齢者医療制度の加入者に限っては、一定の所得の範囲なら月の利用負担は1割ということになっています。
そして介護保険の利用の際は、負担額は1割ということになっています。そしてサービスを受けられる回数によっても違い、
- 介護保険の場合「月に受けられるサービスの回数に制限はありません」
- 医療保険の場合「週3回までで一部4回以上受けられることもある」
この部分の違いは十分に注意しておくことが大切です。
医療保険と介護保険の違いは申請する窓口にもあり
このように訪問看護を利用する際に、医療保険を適用するのか介護保険が適用されるのかで受けられるサービスや保険料も大きく変わってきます。
また手続きの窓口も違い、医療保険は訪問看護ステーションに申請し、介護保険はケアマネージャーに相談します。スムーズに在宅療養を受けるためにもこの違いをしっかりと意識しておくことが大切です。
医療保険と介護保険は区分が違う。ただセットで保険に入れる方法もアリ
このように医療保険と介護保険は似て非なるものです。介護保険は介護に関する保障であり、医療保険は医療サービスに関する保障です。ただ各々必ず独立して加入しなければならないわけではなく、医療保険の中に介護特約などのオプションが備わっていることもあり、一緒に入るなら断然お得である場合もあります。
これから医療保険と介護保険を同時に加入するつもりなら介護特約のある医療保険を選んではいかがでしょうか。
訪問介護や訪問看護について今から知識を蓄えておこう
医療保険といえば入院や手術のことがフォーカスされがちですが、病に倒れれば寝たきりの状態になったり、ターミナルケアが必要になることもあります。そんなときは訪問介護や訪問看護などの訪問サービスが重要になってくることもあります。その場合は介護保険が重要になってきます。ただ医療保険が適用される訪問看護についても見逃せないポイントが多いです。
医療保険が適用される訪問看護についての知識を今の内に深めておきましょう。
民間医療保険では介護をオプションでプラスすることも可能
医療保険と介護保険は高齢になるにつれて現実味が高くなっていくことなので、喫緊に加入の必要性を強く感じている人も多いでしょう。ただ公的医療保険にとどまらず民間の医療保険に加えてさらに介護保険にまで独立して加入すると、保険料もまた大きくなってしまいます。
そんな悩みを解決するのは、民間の医療保険商品の中には、基本的な医療保障の他に特約やオプションを組めるようになっています。その中で介護特約などのオプションをつけることによって、介護状態に陥ったときにそういった保険を利用できることになります。介護障害年金の受け取りや、介護状態に陥ったときに一時金として保険金を受け取れるようなシステムです。